K-POP第3世代 新たな時代の幕開け
第2世代アーティストの飛躍により、グローバルなブームを築いたK-POP。
特に日本でのプロモーション展開の成功により、新大久保の韓国料理店・韓国コスメの普及など韓国関連ビジネスもにぎわいを見せました。
しかし、2012年8月。
当時の李明博大統領が竹島に上陸したことや様々な政治関連の問題により日韓関係が冷え込んだことが原因でK-POPアーティストの日本での活動に影響が出ました。
それまで毎日のように地上波の歌番組、バラエティー番組に出演していたアーティストたちの出演が減少。
私の推しバンドもそれまで毎年恒例だった冬ライブがなくなりました。
(これはショックでした)
2012年の後半は第2次韓流ブームに沸いたファンたちも徐々に減っていき、残ったのはコアなファンだけになったんです。
そして、2013年。
韓国内でのK-POPの勢いは止まらず、第2世代の成功により、各芸能企画会社が続々と新たなグループやアーティストをデビューさせ、K-POP第3世代の幕開けとなります。
第3世代の期間は2013年から2019年。
これまで見られなった大きな特徴として、多国籍グループが相次いでデビューしました。
第2世代アーティストに憧れた日本・中国・タイなどアジア人が韓国に渡り事務所の練習生になり韓国人メンバーと混じって活動するスタイルが誕生した世代です。
第3世代アーティストのTWICE日本人メンバーMOMOさんは実姉とダンス動画をYouTubeに投稿しそれが所属事務所スタッフの目に留まり練習生になった経緯があるそう。
YouTube発信が人生を変えたのですね。
- EXO: 韓国人・中国人メンバーで構成。多彩なコンセプトと強力なボーカルでファンダムの熱狂もすごかった・・・
- TWICE: 韓国人・台湾人・日本人メンバーで構成。爽やかでキャッチーな楽曲とダンスで国民的人気になった多国籍ガールズグループのパイオニア!
- SEVENTEEN: 13人という大所帯でメンバー全員が作詞・作曲・振付に参加する多才なグループ
- BLACKPINK: アーティストというよりセレブ!カリスマ性溢れるパフォーマンスと洗練されたビジュアルが魅力
そして、皆さんご存知BTSも第3世代。デビュー当時は防弾少年団というグループ名でした!
Twitter・Facebook・YouTubeに続いて、ついにInstagramが登場します。
Instagramの普及により、写真や動画・ライブ配信でアーティスト日常や活動の様子をリアルタイムで発信。さらにファンとの距離を縮めて親近感を高めました。
また、ハッシュタグを用いてキャンペーンやライブ配信を通じての質問コーナーなどファンとの双方向的なコミュニケーションを積極的に行いファン参加型のコンテンツも展開。
ビジュアルコンテンツの戦略的な活用として、ダンス練習動画の投稿が始まったのも第3世代からです。
ダンス練習動画をSNSで先行公開することでファンの期待感を高め楽曲のリリースを盛り上げるマーケティング展開が新鮮でした。
ライブ配信に特化したファンコミュニティプラットフォームの出現
以前、グローバルファンダムプラットフォームWeverse(ウィバース)について取り上げた記事を執筆しました。
このWeverseの先駆けとなったファンコミュニティプラットフォームV LIVEが誕生したのもこの時期です。
ライブ動画配信に特化したプラットフォームでV LIVEでしか見られない限定コンテンツが多数配信されたり、アーティストがライブ配信をすればファンはリアルタイムでコメントを送ったりハートを送ったりする交流の場として利用されました。
※現在はサービスが停止しており利用できません。
このように第3世代はSNSを通じて国境を越えて世界中に広がりそれまで以上にグローバルな文化現象となりました。
日本でも、これまで以上にリリースイベントを積極的に行いオールドメディアを通すことなくSNSでのプロモーション展開へとシフト。
SNSを活用した革新的なマーケティング戦略によって一時的に冷え込んだ日韓関係問題を乗り越え、K-POPの人気を落とすことなく成功を収めました。
一方的な発信ツールにとどまらずSNSの特性を上手く使い、新たなコミュニケーションのスタイルを生み出しK-POPの成長を牽引する重要な役割を果たした第3世代のビジネスモデルは第4世代へと受け継がれていきます。
次回#20に続く・・・。